2024/03/09(土)実施 中国ブロックセミナーちょこっと実施報告

2024年3月9日(土)に、JES中国ブロックセミナーが山口大学にて対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。このセミナーは、本年7月14日(日)・15日(月・祝)に予定されているJES中国・山口大会(全国大会)のプレ大会であり、対面で40名、オンラインで50名の合計90名におよぶ参加がありました。

*実践発表*

午前中、山口県内の小学校の先生方3名による実践発表がありました。石津友美恵先生による「子どもとつくる単元・授業」、縄田亜弓先生による「コミュニケーションの必要性を持たせる場面設定や仕掛けづくり」、白石里恵先生による「ICTを活用した言語活動の充実」のご発表でした。先生方それぞれが、すばらしい探究心とアイデアで目的・場面・状況を考えて設定し、だからこそ、子どもたちが自分の考えや気持ちを英語で伝え合おうと思考を働かせ取り組んでいることがよく分かりました。授業への多くのヒントをいただくとともに、山口県内の授業実践の底力にふれる貴重な時間となりました。全国大会での「授業研究」が楽しみになって参りました。

午後のプログラムは,島根よりオンラインでご参加くださった行岡七重先生(松江市教育委員会)の「小学校外国語で大切にしている『支援』について」のご発表で始まりました。「学びにアクセス」できない理由を「社会(環境・構造・環境など)」が生んでいるとの視座に立ち、「ユニバーサルデザインに基づいた基礎的環境整備(事前的改善措置)」と「建設的対話を通した個別の変更・調整(合理的配慮)」の両面で、伴走者としての教師のあり方を追究する必要性をお話しいただきました。このご発表は、誰もが学びやすい授業づくりの視点から、全国大会の基調講演につながる提案にもなったように思います。

*講演*

さらに、本学会会長の中村典生先生をお招きし、「小学校外国語教育における個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実―効果的な言語活動とICTの活用―」のタイトルでご講演いただきました。多くの重要な示唆を賜りましたが、特に「言語活動」について、野球でいう基礎練と練習試合、職人技でいう「ブロック積型」と「うるし塗り型」など、捉えやすい例を示しながらお話しくださり、言語活動のねらいと大切さがよく分かりました。やってみて、うまくいかなかった時に自分の課題がどこにあるのか探しに行く「個別最適な学び」があって、それを支える「ツールとしてのICT」があるという重要な視点、および「そこに思考はあるんか?」という授業構想と評価・改善のためのキャッチーなフレーズをいただきました。ご講演のタイトルは、全国大会のシンポジウムに引き継がれますので、ますます内容が深められることを期待し、楽しみでなりません。

*トークタイム*

最後に全ての登壇者と参加者との間で、「専科教員による指導と学級担任による指導それぞれの課題は?」「個別最適な学びに関して、参加を促す支援から自律した学びを促す支援へのつながりは?」「学校の規模に応じた指導及び校内研修のあり方は?」などの話題で、トークタイムが繰り広げられました。

小学校英語教育の今日的課題に向き合う内容となり、皆さまから「もっと聞きたい、もっと学びたい」という声を多く頂戴しました。「続きは、7月の全国大会で!」ということで盛会のうちに閉じることができました。ご参加くださいました皆さまに心よりお礼申し上げます。
それでは、7月に山口にてお会いしましょう!