2024/11/30(土)JES静岡支部セミナー実施報告

2024年11月30日(土)に、静岡県浜松市のアクトシティ浜松・研修交流センターでJES英語教育静岡セミナーが対面&オンラインで実施されました。対面で20名、オンラインで16名の参加者がありました。
** 実践発表 **
浜松市立西小学校の髙井季代子先生の御発表は,アバターという表情が分からない,ジェスチャーも使用できないという非言語コミュニケーションの表出ができない不自由なメタバース空間でのコミュニケーションが,かえってコミュニケーションの本質への気づきを促したり,発話の質を高める必要感につながったりすることは大変学びが多かったです。また,参加者からの御意見で、異なるメタバース空間では,子供の意識も変容するでしょうし,必要な英語表現やニュアンスも変化することが想定され,より言語の本質や言語の文化性にも気づくことができるのではないかと考えました。
静岡大学教育学部附属静岡中学校の吉田龍弘先生の御発表は,インドネシアとのオンライン交流でのコミュニケーションは,対面ではないEFL環境下での交流がかえって,伝えたい,伝わったという思いを引き出し,コミュニケーションの本質への気づきを促していました。また,参加者からはこのようなハードルがある言語活動が言語の本質や言語の文化性にも気づくことができるのではないかという話がありました。人と人との継続した交流が,相手を思いやる言語表現の選択につながるという好事例の紹介をいただきました。
** 講 演 **
中京大学国際学部の亘理陽一先生の御講演は大変示唆に富み,参加(視聴)された皆様にとって大変有意義だったことと思います。亘理先生が提案された徴候解読型アプローチは,授業の中の子供から表出された小さな表れから,子供の思考をどのように見取るのかというお話でした。このような見方は,研究の理論や考え方とも同一性があり,学校教育の中で,より多くの先生方に広めたい考え方であると思いました。事後アンケートからは,「「授業中に子どもたちの様子を見取ることができない」というのは、自分の課題の中に常にあり、今日はそこへのアプローチを教えていただいたように思います。授業を観察する際に「先生にはまっていなさそうな子を観察する」という視点はとても刺激的で、そして大事なことだと感じました。自分の授業を公開する際に、来てくれる先生方にそのようにお願いしてみようと思いました。また自分でも、自分の授業でのある特定の子どもの一時間の表れを観察して考察することにも挑戦してみたいと思いました。」という回答が見られました。
今回のセミナーは発表者2人の御発表内容が大変素晴らしく,昨今の自由進度学習,個別最適な学びに一石を投ずるに値するものであったと思います。また,亘理先生の徴候解読型アプローチも定期的に御指導をされている学校現場の実践を取り上げた具体的な提案であり,このような見方は,研究の理論や考え方とも同一性があると考えられます。学校教育に携わる参加者の皆様に多くの示唆が得られた会になりました。
当日のプログラム
